検索エンジンがなかったら、当然ブラックなSEOもなかったんだろうって雑感。

唐突ですが。
私もWeb制作にかかわってはいますが、SEOがらみの案件を受注したことはありません。言って見ればアマチュアです。
しかし、スパムなSEO手法に関して、例えば大量のワードサラダ系の記事にリンクを盛り込んだスプログや、ペイパーポストというか、ただ大量にリンクが詰め込まれただけのコピペのブログや、人の目には触れないリンクを忍ばせた無料ブログツールとか、ここ数年間で何度も記事にしてきました。

どうしてこんなにくだらないゴミをネット上に撒き散らすのか、マナーとか良識とか公序良俗といった意識はどこにいったのか、そんなことをWebで飯を食っている端くれとして書いてたわけです。

で、最近ふと考えさせられた言葉が2つありました。

1つはGoogleのウェブマスター向け公式ブログの「誘導ページ(Doorway Page)はガイドライン違反です(2012.01.16)」にあった言葉。

検索エンジンがなかったとしても、そのようなページを作ったかどうか、考えてみてください。

ん~。
もし「検索エンジン」が無かったとしたら・・。つまりディレクトリー登録型のポータルとかではなくて、クローラーが徘徊する形式の現在のGoogle、Yahooってことね。
そりゃクローラーがなけりゃ少なくともバックリンク欲しさのスプログや意味のないワードサラダは作ってもしかたないはず。
そうなると、相手は人になるわけで、人にサイトを知らせるためにせっせとディレクトリ型のサイトに登録するとか、カテゴリーが類似したサイトと相互リンクを頼むとか、メールニュースで告知してブックマークをしてもらうとか・・。

でもそれってひと昔前までは普通にやってたこと。
当然コンテンツの充実とかユーザービリティ向上とかの課題は変わらないけれど、一方で「検索エンジン」によってサイトの探し方が変わり、いつのまにか「人」より「クローラー」への対策が重視され、被リンクやページランクが過剰に評価され、ブラックなスパムを生んでしまったんでしょうね。

さて、もう1つの言葉。
3か月ほど前の記事ですが、「GoogleはSEOをスパムとみなしているのか?」(海外SEO情報ブログ/2011.10.26)にあった言葉。

記事は、Google(Matt Cutts氏)の「GoogleはSEOをスパムとはみなしていない。(中略)検索エンジン最適化を行う人間としてできる質の高いことが実にたくさんある。」といった発言が翻訳されていて、それはそれで興味深かったですが、ブログ主さんの

「検索エンジンのアルゴリズムの裏をかいて(その資格がないのに)上位表示にねじ込む」、これがSEOだとしたら少なくとも「最適化」ではないのでSEOとは呼べませんね。

ナルホドと思ったのはこっちの言葉。
そっか。スパムSEOは検索エンジンへの「最適化(Optimization)」ではなくて、検索エンジンをいかに「騙す」か、だったんですね。
それってSearch Engine・・なんて言うんだろう?
Trick(謀略、奸計という意味で)ならSearch Engine Trick。略して「SET」。

どうでしょう?
ま、素人にはカンケイないことではありますがww。

(2013.01.10追記)
タイトルだけ読むと、なんだかスパムは検索エンジンのせいみたいな感じで、投稿題名としては今さらですが不適切だったかな(笑)
投稿して約1年経って、ちょっと追記したくなったので書きます。

ブラックハットSEOで一般的な手法の1つで、バックリンクを得るためだけのサイト(多くはスプログと呼ばれるワードサラダ系のゴミサイト)を使うものがよくあるパターン。
無料ブログであればサービス提供者の利用規定に抵触しているでしょうけれど、ドメインを取得して独自に立ち上げたサイトであれば、法的には問題はないでしょう。

個々のユーザーにとっては、(そんなスパムなサイトに運悪く誘導されたとしても、ほんのちょっとした”無駄足”な時間を浪費し、期待はずれでちょっと不愉快な思いをした程度。ブラックハットなSEOを利用していないサイトのユーザーからしても、本来は何位ぐらいの順位なのに、他の(利用している)サイトが上位に来ているせいで順位が押し下げられているなどと証明できるわけもありません。

ただし検索エンジン側からすると、検索の品質を重視するうえで、検索のアルゴリズムの裏をかくスパムは業務妨害だという主張もあります。

検索エンジン側の主張はともかく、独自に立ち上げたバックリンクを得るためだけのスパムサイトが法的には問題がなく、ユーザー1人1人にとっても軽微な時間浪費程度、健全なサイトオーナーも順位的に割を食っていることが証明できないなら、ブラックな手法やスパムサイトは批判してはいけないものなのか?(そんなことはないでしょ)

なんだか道徳教育で習った”法と道徳”を思い出しました。

ほんの小さな一片のゴミ(例えば1cm四方の紙片)を公道にポイ捨てしても、マナーに反する程度で法的には問題はないでしょう。しかし何10万片もの小さな紙片を特定の企業が自社の利益のために実害が出ないように薄く広範囲に捨てていれば、例え他人に実害がなくても「貴社はモラルが欠けてると思う」と批判されることぐらいは覚悟すべきでしょう。

ブラックハットSEOをする企業は、不等記号で書けば、
モラルがない企業だと批判される損失 < その行為による自社の利益
という価値観なのでしょう。
利益だけ得ておいて批判は許さない、なんて都合のいいことを考えるのは自己中心的すぎると思います。

検索エンジンがなかったら、当然ブラックなSEOもなかったんだろうって雑感。” への2件のフィードバック

  1. これってスパムブログにも繋がりそうですね。
    検索エンジンやGoogle先生のページランクどーたらがこんなに横行しなかったらこれほどまでにスパムが増えなかったのに・・いや、増えたかな?
    ちなみに。最近流行っているリファラスパムは検索あんまし関係なさそうですね。
    だってあしあとみたいなもんでリンクしているように見せかけるだけだもの。ま、最初に検索かけてそいつをターゲットにするとかしたら検索エンジン使うか。
    やはり検索エンジンって基本なんですねw。

  2. ブリさん、コメントありがとう。
    確かにネットの利用は(お決まりの天気予報とか路線図といったポータルのサービスは別として)なにか知りたければ「まずはググれ」みたいな行動パターンが基本になっていますね。

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