「楽天トラベル」の暴投?「楽天アフィリエイト広告」の費用を旅館・ホテルに負担させるという話。

(投稿後、微妙に書き直しました)
楽天グループの「楽天トラベル」がこのたび、アフィリエイト広告経由で成果があった場合、売上の1.3%を旅館・ホテルから徴収することにしたのだとか。

それだけ聞くと、「広告を出して、それで見込み客が来て予約してくれたら、アフィリエイターへの成果報酬として売上の1.3%を払うぐらい問題ないんじゃない?」と思うかもしれません。

でも、そもそも楽天アフィリエイト広告は、楽天株式会社による、楽天グループのサイトに集客するためのマーケティング活動ですよね。
つまり楽天アフィリエイト広告は参加店舗の広告ではなく、サイト全体への集客施策で、出店者はその「サイト=モール」としての集客力にメリットがあるから出店料を払い、売上に対して一定率の手数料も楽天に支払っているものと思います。

報道には「楽天グループの広告から楽天トラベルのサイトに行き」とあります。
「楽天トラベルの広告から楽天トラベルのサイトに行き」ではないですよね。それも含まれているとは思いますが。

楽天アフィリエイト経由の客って「楽天トラベル」の広告をクリックしてきた見込み客だけじゃなくて、巨大な別サイトである「楽天市場」の広告を踏んだ、膨大な数のユーザーもいるはずでです。

それでも負担増に見合った売上増に結び付くんだったらまだいいでしょう。「楽天市場」の広告を踏んだ(cookieを持った)ユーザーが、その足で別サイトである「楽天トラベル」に遷移し、集客力が増加するというなら納得できるんでしょうけど、そんなサイト間の連動施策は聞こえてきません。

個人的な主観ですが、「楽天市場」へ買い物にアクセスしたついでに「楽天トラベル」に寄って旅行予約してきた、なんてユーザーが多いとは到底思えず、あるとすれば「楽天市場」の商品の広告を見てクリックした人が、「楽天市場」とは関係なく(cookieの期限である1か月以内に)「楽天トラベル」に来て旅館やホテルを予約するというパターンじゃないでしょうか。
それでも旅館は宿泊費の1.3%を徴収されてしまうってわけで、得するのは負担減になった楽天だけのように思います。

あ、遅くなりましたが報道(情報ソース)はこちら。

楽天トラベルに旅館反発 宿泊予約で広告費負担増(京都新聞/2013.10.30)
(以下抜粋引用)
インターネットの宿泊予約サイトを運営する「楽天トラベル」(東京都)が、独自のアフィリエイト(成功報酬型広告)システムの運営方法を変更する方針に対し、京都をはじめ全国の旅館やホテルが強く反発している。これまで楽天が支払ってきたコストを施設側に負担させる方針のためで、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)などは「すでに手数料を支払っており、優越的な地位を利用した押し付け」と撤回を求める一方、楽天トラベル側は「システムを充実させる費用」と説明している。
(中略)
 消費者がブログなどに貼られた楽天グループの広告から楽天トラベルのサイトに行き旅館を予約した場合、ブログ運営者に成功報酬として予約時の宿泊料金の1%が支払われる。これまでその報酬は楽天が支払ってきたが、新方針ではその報酬を全額、旅館側が負担し、さらにシステム利用料として0・3%の負担も求められる。

読む限り、方針変更がちょっと一方的すぎる点がすごく気になります。

せめて「楽天市場」の広告と「楽天トラベル」の広告(cookie)を別にして、「楽天トラベル」の広告経由に限定するとか、技術的な問題はともかく、何らかの配慮が欲しいところ。
「楽天市場」の広告を1か月前に踏んだ人のアフィリエイトコストまで負担させられる仕組みというのは、参加旅館・ホテルにとってはツライんじゃないでしょうか。

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