ネットに溢れる「海外の反応」はその後、テレビの日本スゴイ系番組へと伝播。

(2017年3月に書き直しをしました)

2013年11月25日に下記の記事を書きました。
掲示板まとめ系や海外スレ翻訳系ブログの新着記事を、さらにまとめるアンテナサイトの話。

その投稿で、自分は海外のサッカーの掲示板を翻訳してくれるブログ等で、日本人のいる海外の強豪チームのゲーム後の反応などを読んでいることや、このような翻訳系のアンテナサイトは(アフィリエイト的には構築が楽で)増加したのではというようなことを書きました。

その後、さらに増殖している感もある「海外の反応」系のサイトですが、翻訳でまとめている人次第ではあるものの、マスコミが伝えない話題や発言が読めるという点で面白いと思います。

ただ、日本に関係する話題を集めていくと、一部の近隣国は除き、おおむね日本のポジティブな評判のことが多く、美しい日本とか、落し物が戻ってくるとか、安全とかの話や良いエピソードが溢れていて、読めばキモチよくなってしまうものがほとんどのように思います。

そこは悲しいかな日本人の性(さが)がモロに出ている気がします。
つまり、「外国人にはどう思われているのだろう?」という興味や関心。
日本人が自国をどう見るのかより外国人、特に欧米人にどう見られているのかを気にする。
恥の文化というか、良くも悪しくも国民性が反映しているのでしょう。

昨今の中国・韓国との対立悪化を受けて、特に韓国の告げ口外交等で、欧米諸国の評判を気にしがちな日本人の神経を逆なでするニュースが多いこともあり、改めて良い評判が心地よいというか、面倒なお隣の国から来るストレスを緩和してくれるのかも知れません。

ただし、そういったポジティブなテーマでピックアップしているのは、あくまでも日本人。
民族的な優越感や、やっぱ日本(人)は清潔で親切で情に厚く安全で・・・と過剰に思うのも問題でしょう。

もちろん誇りに思ってよいこともたくさんあるはずですが、日本にだって半グレもいるし、窃盗も殺人も、盗撮もエロい犯罪も毎日のようにあるわけだし、差別する人もいます。

最初の記事を書いて3年経過しましたが、その後、特にテレビ番組で日本の自賛系番組が急増しました。
外国人が見た日本の料理、伝統、職人技、先進・先端技術、製品、などなど。
ある意味、外国人にヨイショされ尽くして気持ち悪くなるものもあります。

ただこの手の番組すべてが、外国人のヨイショを味わう番組とも限らず、我々日本人ですらほとんど知らない日本の伝統や技術などを、外国人の視点を通して体験、再認識するというような切り口は個人的には面白いと思います。

しかし日本では常識でも、外国人には知られていないような技術、製品などを体験してもらい、そのリアクションを楽しむといった番組は、ともすれば上から目線なクサさや悪趣味に見えてしまいます。

テレビ番組は一般大衆の支持を得やすいほうに舵をとり、日本スゴイという自画自賛番組が増えたのはそれなりに視聴率が確保できているからなんでようね。つまり、違和感がないか、多少の違和感があっても楽しめてしまう人が多いのでしょう。

ただ、知らず知らずのうちに「日本て本当はスゴイんだ」とか「日本人は外国人に好かれている」とか思い込んでしまう人もいるはず。めでたいことに洗脳するのも日本のテレビ、洗脳されるのも同じ日本人。

テレビ番組による変なナショナリズムのブームな気がします。

追伸
半年後にこんな記事も書いています。
日本人として恥ずかしい、ニッポン「自画自賛」症候群。

ネットに溢れる「海外の反応」はその後、テレビの日本スゴイ系番組へと伝播。” への1件のフィードバック

  1. おお…中立的でありながら痛い所はしっかり突いていていい記事だと思いました。

    日本のいいところだけを寄せ集めた「海外の反応」に対する「日本の反応」を見ていると、ここまで己惚れると流石にマズイんではないか?と思うことがあります。いつまでも換気しないよどんだ空気の部屋にいるようで…悪い点も見るようにしないと対策が見えてこない、客観的視点の欠如は停滞を招きます。

    少なくとも日本のメディアがピックアップする外国人は少数派の人達ですよね。実際日本は中国の一部くらいに思ってる人達だって少なくありませんし、人種的に中国人と見分けがつきませんから最近は中国企業の世界進出や移民に伴い日本人含むアジア人に対する人種差別もまだまだあります。

    多くの日本人が欧米諸国をいっしょくたにして見るように、多くの欧米人もアジア諸国をいっしょくたにして見ているってことを知っておいて欲しいですね。別に日本人は特別な存在じゃないってことを。

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