ネットのニュースとか、記事サイトとか、Google広告を貼っているサイトを見ていて下記のような変なバナーを見たことはありませんか?
私はここ1,2か月前から気になっていました。

とか、ほかにも

といった横長バナーや、

といった、日本語で「もっと見る」とか「詳細を見る」と書かれたバナーです。(斜めの線は私がひきました)
今日もたまたまですが47NEWS(52新聞社と共同通信の総合ニュースサイト)とかサッカーダイジェストといったサイトで見かけました。
見かけたサイトはGoogle広告を掲載しているだけで、なんの落ち度もありませんし、私のこのブログにも表示される可能性はあるかと思います。
こんなバナー、クリックする人も稀かと思いますが、実は下記のような詐欺ページに遷移することがあります。
見た感じMicrosoftサポートのページですが、もちろん違います。
遷移することがあります・・・とあいまいな書き方をしたのは10回クリックして10回必ず遷移するとは限らず、まったく正常な遷移だけで問題ない場合もあります。
私はここ1,2か月気に留めて、このバナーに遭遇した時は押して見てこの詐欺ページを5~6回見ました。
まあ、バナークリックして詐欺ページに遷移した後は、数秒から10秒程度経つと警告音声が出てブラウザが閉じられなくなるので、「あ、詐欺ページだ!」と確認したらブラウザのバックボタンで戻っていますが、最初は画面キャプチャーとか取っていて、ブラウザジャックされるたびにタスクマネージャーを(ALT+Ctrl+Deleateで)呼び出してブラウザ閉じてましたが(汗)
たまたま今日最初に出くわした詐欺ページは千葉県のペット関係のサイトで、3回に1回程度は普通にそのサイトに遷移します。
ドメインはmjsasena.comですが・・・。
あ、行かれる場合は自己責任でお願いします。
ただ不思議なのは、mjsasena.com/?gad_source=5&***(省略) といったGoogleのURLパラメータ (”gad_source=5″ はトラフィックのソースが Google 検索パートナーであることを示しています)を使用しで詐欺ページが表示されているわけです。
そういう意味ではサイト自体、何らかの悪意あるアプリを埋め込まれてしまっているのかなと”最初は”思いました。そう、最初は。
しかし、いままで見てきたこの類の広告主のサイトがぜんぶ英語ページでしたが、このサイトも例外ではなく、千葉市のペット関連事業者なのに日本語サイトは存在しません。
ただ、千葉県千葉市花見川区幕張本郷3丁目5−3をGoogleストリートビューで見たところ、その建物は室内装飾会社の看板があって、ペット関連事業者が本当に存在しているのかも確認できませんでした。
サーバーは
ドイツ国内、ドメインも海外で取得しているようです。
また、3番目の縦長のバナーは最初のワンクリック目で上記と同じ詐欺ページに遷移しました。
ドメインは下記。行かれる場合はこれも自己責任でお願いします。
nookfair.com
2クリック目からは「Premium Car Wash, Swift Service」という英語ページで、ここに表示された住所は7 Chome-12-10 Kishicho, Urawa Ward, Saitama, 330-0064, Japanとあり、そこには法律事務所があり、車の洗浄サービスの会社はありません。しかもWebページにある電話番号もその法律事務所のものでした。
法律事務所にとってはいい迷惑かと思います。
サイトのソースを見てもGoogleアナリティクスも埋め込まれていません。
いやいや、普通Google広告を出稿するぐらいならアナリティクスとかタグマネージャーとか入れるでしょ?
なお、mjsasena.comもnookfair.comも、HTMLソースの書き方は、はほぼ同じです。
こういった詐欺ページへの誘導に共通しているのは
(1)日本語で「もっと見る」とか「詳細を見る」と書かれたバナーを使っている
(2)遷移先のサイトのHTMLソースの書き方が、はほぼ同じ
(3)日本の住所を使っているがGoogleストリートビューで見ても店舗の存在が確認できない。
(4)日本語ページは無く英語しかないサイト
(5)詐欺ページのパターンは同じ
(6)ドメインは海外で取得
といったところでしょうか。
これはもう、初めから詐欺を目的としたダミーな事業のサイトで、google広告自体が詐欺に利用されていることになります。
Googleが広告の審査でその事業が架空かどうかなんてわからないでしょうし、審査後に数回に1回、詐欺ページへ遷移するように仕込めばGoogleにバレるまでは詐欺活動ができるってわけだと思います。
現場からは以上です。
2025/10/27追記です。
さきほど見たバナーは下記で、いままでのバナーパターンとは違いました。まあよくあるパターンのバナーです。(斜めの線は私がひきました)

どうやらヨガ教室のようです。
サッカーダイジェストのサイトで見ましたが、もちろんサッカーダイジェストに非はありません。
遷移先は前出の詐欺ページですが、3回クリックして3回とも詐欺ページに遷移しました。
PCのスピーカーはミュートにしているのもかかわらず大音量の「トロイの木馬に感染しています」みたいな音声が流れ、閉口しました。
2回目はタスクマネージャー(ALT+Ctrl+Deleateで)も効かず、しかたなく電源ボタン長押しで電源切りました(汗)
そういえばと思い、Googleの審査は?と思い、もう1度バナーを表示させて右上の三角に見えるアイコンを押してみると、、、。

一応、身元確認済みとなっています。
ちなみにこのヨガ教室。住所も電話番号もありませんでした。
さらに、こんなバナーも。

ただし、ここはちょっと様子が違いました。
なななんと、詐欺ページに遷移しなかったときの遷移先が、群馬県に実在するきちんとした宝石屋さんです。しかも日本語サイト!
これは今までのパターン、つまり架空の事業のサイトへの遷移とは違います。
Googleの審査では

え?どうして岐阜県の別の会社??
この会社のほかのバナーを見ると、、

詐欺ページに遷移したときのバナー群ですね。
この会社の名誉を考えて、あえて社名をテキストにはしませんが、たぶん詐欺集団に広告出稿の審査のために勝手に社名を使われた、つまり被害者じゃないかと思いました。
ただ、審査は
身元確認プログラムについて
確認済みの広告主は、次の要件に基づき Google による身元確認が完了しています。
・以下に示す認められる書類を提出
・提出した書類に記載された住所と一致する国を選択
・提出した書類に記載された名前と一致する名前を提出
提出書類として認められるものは次のとおりです。
・組織の場合: 認められる書類は国によって異なります。
・個人および正式な代理人の場合: パスポート、政府発行の身分証明書、運転免許証、居住許可証。
とあるので、どう詐称したのかわかりません。
もうこれは無断で偽広告を出稿され、かつサイトも無断で利用されてしまったとしか思えません。
ホント、Googleさん、闇が深すぎるよ。
2025年10月30日さらに追記
本日遭遇した詐欺ページに誘導するバナーは「始める」のひとことしかないバナー。

Googleの広告主は愛知県のダクト工事の会社。
Googleの広告主情報
もちろんこの会社は実在するのですが、気づかぬうちに会社名を詐称されている、つまり詐欺ページとはなんのかかわりもない被害者の企業と思います。
実際、最初のクリックでは前出の詐欺ページに飛びますが、URLはこの愛知県のダクト工事の会社ではなく、Music Triviaというサイト、もしくはそのサイト上の詐欺ページに遷移します。
その他、某スポーツ総合サイトでは詐欺ページへの下記の誘導バナーが花盛りでした。



もちろんGoogleの審査が騙されているだけで広告掲載サイトには落ち度はありません。私のブログのGoogle広告にも表示される可能性はあります。
Googleには「不適切なコンテンツ」として通報していますが、くれぐれもご注意を。
(さらに追伸)
こんな記事を書いていたせいか、このページにも詐欺バナーが表示されているのを視認しました。
くれぐれも私が掲載したような「もっと見る」的な広告で斜線がないバナーは本物の詐欺ページなのでご注意ください。
また、ぜひそういったバナーから、詐欺サイトに誘導される悪質な広告であることをGoogleに通報したいものです。
①Google広告のバナーの右上に縦に3つ点が並んでいるところをクリックします。
すると下記の画面が表示されます。

そこで「広告表示設定」をクリックします。

広告主の社名は伏せました。実在するのと、たぶん詐称されたんだと思います。
ここでは一番上の「レポート」をクリックすると、下記の「広告またはショッピング リスティングを報告する」という画面になります。

そこで表示されるラジオボタンで、
報告する広告またはリスティングに最も当てはまるのはどれですか。
〇Google のポリシーに違反しています(例: 詐欺 / フィッシング、不適切な表現、危険なコンテンツ)。
を選びます。
さらに表示される下記画面が出ますので、
〇誤解を招くコンテンツまたは詐欺である
(虚偽の主張やオファー、なりすまし、フィッシング、クリックベイト、不正確な価格情報)
を選択して、あとはコメント欄に「詐欺です」とでも書いて送信します。

するとGoogleから
〇〇様
広告またはショッピングのリスティングに関するご報告を拝受いたしました。担当チームがご報告内容を確認し、必要に応じて対策を講じます。
ご報告いただきありがとうございました。Google は常にサービスの向上に努めております。このたびいただいたご意見も、さらなるサービス改善に活用させていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
Google Trust & Safety チーム
というメールが届きます。
ぜひ悪質な広告に出会ったらやってみてください。
