一昨日(2011.03.29)、日本レコード協会のプレスリリースに、裁判所がネットの接続プロバイダーに、音楽ファイルを不正に公開したユーザー情報の開示を命じたニュース記事がありました。
音楽ファイルの不正アップロードユーザー6名の氏名等の開示を命じる判決下る
3月14日、東京地方裁判所は、インターネットへの接続を提供するインターネットサービスプロバイダ(ISP)1社に対し、ファイル共有ソフトを利用してインターネット上で音楽ファイルを不正にアップロード(公開)していたユーザー6名の氏名等を、下記の当協会会員レコード会社9社に開示するよう命じる判決を下しました。
不正アップロードのような著作権違反関係は、名誉棄損や偽計業務妨害などと違って結構クロシロの判断がつきやすいと思うのですが、それでも判決で命令が出るまで情報開示がなされなかったわけですね。
プロバイダ責任制限法関連情報Webサイトというところに「発信者情報開示関係ガイドライン(PDF)」というのがあったのでDLして読んでみたのですが、ISPからすれば開示要求に対して独自に判断するより、判決を待って開示に応じる方がきっと悩まずに済んでラクなんでしょう。
では、ネット接続のプロバイダーではなく、レンタルサーバ会社とかブログやSNSのサービス会社とかはどうなんでしょうね。
そういえば、私も2か月ほど前(1月28日)にTwitterでこんなものを受け取りました。
私はTwitterのヘビーユーザーじゃないんで、こんな連絡にTwitterを使われると見逃す恐れがあるので止めてほしいですが。
ロリポップの利用規約では
第22条(守秘義務)
(抜粋)
刑事訴訟法第218条(令状による捜索)その他同法の定めに基づく強制の処分が行なわれた場合には当該処分の定める範囲で、また特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第4条(発信者情報の開示請求等)に基づく開示請求の要件が充足された場合には、当該開示請求の範囲で、乙の事前の承諾なく第三者に開示できるものとします。
中に出てくる法律の第4条(発信者情報の開示請求等)を追うと、結局「開示を受けるべき正当な理由があるとき」という判断を迫られるわけで、また概ね「開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない」ということになるようです。
まあ勝手(反論の機会なし)に開示されては困りますけど。
ロりポップからすれば自社には利益のない訴訟であり契約者を守るというメリットもないので、法に従って契約者に打診し、「発信者の主張はこうで、開示に対してはこう言ってます」という意見書を提出するだけ。
発信者はまだ被告人ではないので、意見書で主張するだけの欠席裁判状態ですから、おおむねは原告の主張通り、開示請求が認められるんじゃないでしょうか。
私も開示請求を受けて拒否の意見書で主張しましたが、ロりポップが普通に負けて開示されるに至りましたけどね。