久々に見た「逆SEO失敗例」について。なぜ失敗して逆に目立ってしまったのかの検証。

あからさまなスパムサイトを使った逆SEO対策が却って目を引いてしまって、数多くの2ちゃんねるのコピペサイトが”この逆SEO対策はすごい”と取りあげているのを見ました。

ここで施された逆SEO対策とは、某県の迷惑防止条例違反で逮捕されたA氏の氏名で検索すると、A氏の実際の職業とは全く違う(架空の料理研究家・A氏の)ページを検索結果の上位に表示させようとするもので、そのことによって事件報道の記事の順位が下がることを狙ったもの、と言えます。

しかし現状は、依頼者が隠したかった事件報道のページ群は上位に鎮座したままで、次に数多くの「事件と逆SEO」について書かれたコピペサイトが溢れ、その結果、逆SEO対策ページは検索結果のはるか彼方に吹き飛ばされています。

大変ご愁傷様です。

事件と逮捕者の氏名や職業は書きませんが、その無茶な逆SEO施策がなければ2ちゃんねるの住人もコピペサイトもスルーしたか、取り上げても祭り(大騒ぎ)にはならなかったんじゃないかと思います。
しかし、急場しのぎだったのか、スパムサイトを中心とするあまりにも雑な逆SEO対策が却って目を引き、火に油をそそぐ結果となったというわけ。

こんな記事を書いてるお前も同類(油を注いてる)じゃん・・・と思われるかもしれませんが、一応、具体的な罪名や逮捕者の氏名、職業、という拡散した3つのキーワードを使わないよう配慮したつもりです。

そのうえで、あれこれ書きたいと思った本題ですが。

まずここで使われた「逆SEO対策」について。
使われた手法が、検索結果順位を操作する目的で、検索エンジンのためだけに作られたウェブページである点から、はっきり「検索エンジンスパム」と言えます。
Yahoo!の定義を引用すると「検索エンジンスパム」とは、検索キーワードと十分な関連性がないにもかかわらず、意図的に検索結果に表示されるように操作をしているウェブページを指します。

逆SEOに関してはすべてが検索エンジンスパムと言っていいかどうかは迷うところですが、やはりここで使われたものはクロ。不祥事を隠すために、さらにモラルに欠ける行為を依頼した点はまずかったと思います。

次に、本当にこのケースで逆SEOの業者は、プロとして効果が期待できると思ったのだろうか?

・やってみないとわからない。
・やらないよりはやったほうがいい。
・効果は別として依頼されたのでやった。
・効果ないと断っても、どうせ他社に依頼する。

そんな言葉が思い浮かびます。

基本的に逆SEOは守るべきブランドやサービス、社名等の公式な(正規の)サイトがあって、その守るべきサイトと悪評サイトの間に数多くの逆SEO対策サイトを割り込ませることで、悪評サイトの検索結果順位を下げるのがやり口。

今回のケースは、個人のサイトを風評から守るというのではなく、氏名で検索された場合を想定して検索結果の上位に逆SEO対策サイトのページで埋め尽くして、事件報道のページを下位に追いやるというもの。

その思惑自体、無理がありすぎな話です。

報道のページは、新聞社やニュース配信サイト等なので、下層の記事ページにしてもページランクはそこそこあるわけで、そこに急遽作った逆SEO対策ページをぶつけても、ほとんど意味がありません。

もはやプロなら「やってみなくてもわかる」「やるだけ無駄」と容易に判断できるレベルのはずです。

そうなるとやはり「依頼されたのでやっただけ」「断っても、どうせ他社に依頼するから受注した」なのでしょうか。

しかも今回、たまたまA氏の氏名で検索したネットユーザーに、その逆SEOのスパムなページが見つかって、恥の上塗り&さらに拡散となってしまったわけですが、効果も期待できないページを作った業者は・・・当然知らんぷりですよね。

ま、無茶な逆SEOを依頼したことが、さらなる拡散を生んでしまったことになりますが・・・。まさかとは思いますが、業者のほうから売り込んだわけじゃないですよね。
(それならもっとヒドイ話です)

島田紳助もそうだったように、弱り目なときは藁をもつかむ心境なのでしょうけれど、くれぐれもグレーなサービスには頼らないことじゃないでしょうか。
いや、そもそもは依頼者の猥褻な迷惑行為がダメなんですけどね。

(2013.08.19追記)
逆SEOをするなら、即効性を期待して荒っぽいスパムサイトを乱立させるのではなく、数か月先にひっそりと埋もれさせるような手立てをとるべきではなかったのかと思います。
それと、そもそも犯罪を誘発したJK生の短いスカートを禁止する条例には、反対ですww

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