メールの下書きのゲスな利用法と感動的な利用法。

まずは「ゲスな利用法」について。

先日(2017年4月16日)のTBS系列の番組『林先生が驚く初耳学!』をご覧になってご存知の方も多いと思いますが、元CIA長官の不倫相手との連絡方法に、Gmailの下書きを利用していたというもの。

2人でGmailのアカウントとパスワードを共有し、メールは送らず、下書きのままにしてお互いに読みあっていたというもので、たしかに、送信しあっていれば通信を傍受される危険もあるわけですが、下書きの状態なら安全と言えます。

ただ、フリーのWebメールを送受信には使わず、下書きを日記代わりに利用するという話は、ずいぶん昔から言われていることで、Yahoo!のWebメールが登場したあと何度か見聞きしたことがあります。

その応用編(?)というわけではないですが、アカウントを2人で共有し、送信しないで下書きを共有するという方法が不倫の当事者にとって非常に安全な方法だったのでしょう。

結局、不倫相手の女性が元長官の周辺の女性に嫉妬して、そのメールから嫌がらせメールを送信したことからアカウントの存在がバレたとのこと。

送信機能のないGメールだったら・・・なんてものはないので、このたびはご愁傷様でした。

それなら別にGmailでなくても、完全に非公開で使える「はてなダイアリー」や非公開設定のできるブログでも同じ役割が果たせるはずですが、やはりGmailのようなWebメールの簡便さやユーザー数が膨大な点、アカウント取得が簡単な点がブログなどよりダントツに勝っているのでしょう。

それに、間違って世界に「公開」したら、メールの「誤送信」よりも怖いかも、です。

さて、次に「感動的な利用法」です。

といっても実は創作というかテレビコマーシャルの中での話で、実話ではありません。

2000年に流された松下電器産業(現・パナソニック)のノートPC(松下、AVノートパソコン「人」)を使った企業CMのなかの話です。

内容はネタバレするので動画のあとに書いておきます。

私も動画ファイル持っていますがYouTubeにもありました。

かなり画質が汚いですが、どうぞ。

出産を前にした娘と、その母。

お母さんは入院していて、娘の出産までは生きられないと予感し、産まれてくる孫に向けてメールを何通も下書きしていたというもの。

孫はもう女の子とわかっていて、名前も決まっている。

その孫(里花ちゃん)に向かって、メールを書き溜めてゆく。

母が亡くなって数か月が過ぎ、娘がその下書きを母のパソコンから見つけ、読むというところで、娘の小さな嗚咽がジンときます。

確かにこの頃(2000年当時)、PCが立ち上がったらプライバシー(ログインアカウント別の環境)は無かった時代でした。

最後に娘が亡くなった母に向けてメールを書き、送信ボタンを押しますが、それは何のメアドに当てて送ったものか、少し疑問が残ります。

母のPCなので、母親のメアドから母親のメアドに送信したのかも知れませんが、そこはツッコミ(詮索)しないほうがいいのかも。

それはさておき、コマーシャルの流れた年代から言ってWebメールではなく、単にメーラー(メールソフト)の下書きという設定でしょう。

この時代、ブログもまだありませんでした。

普通なら「孫への手紙」となりますが、そこはPanasonic。

ノートPCのコマーシャルなのでEメールの下書きをメッセージに利用しようとなったのでしょうね。

第53回(2000年)の広告電通賞を受賞しているとのことです。

ただ、こういった「人の死」とか「亡くなった母」といったシチュエーションを商用の宣伝に使うと、否定的な声も上がると、当時松下の社員だった人に聞いたことがありました。

元CIA長官のゲスな利用法が「初耳学」で流れたおかげで、ふと思い出したちょっと感動したメールの下書きの利用法でした。

CMという創作の中の話(メールの下書きの利用)ではありますが、17年経っても「これは今でも使えるワザだ」と思った次第です。

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