先日(2017/06/07)yahooニュースに下記の記事(NPO法人POSSE代表:今野晴貴氏)が掲載されていました。
求人詐欺に画期的判決 求人票と異なる契約を結ばされても無効に
求人詐欺とは、例えば求人票には「正社員」「雇用期間の定めなし」「定年制なし」と記載されていたのに、実際は「契約期間の定めあり」(1年間)、「定年制有(満65歳)」だったとか、要するに募集条件を偽って応募させ、実際には異なる(労働者に不利となる)条件で労働契約を結ばせる手口。
上記のyahooニュースの記事は、それを、例え被雇用者が(仕方なく)合意したとしても無効であると判決を下しています。
この裁判において、会社側は求人票について、社会保険労務士からの助言を受けて、なるべく多くの人が応募するように作成したと供述しており、裁判所からも「求人票の記載が応募者を誘引するためだけの空虚な記載であったことをあからさまに認め」たものであると指摘されている。
この事件のように、悪質な社会保険労務士やブラック士業が、法律の抜け道を「指南」している事例は枚挙にいとまがない。
こんな法律無視の助言をする社会保険労務士は、倫理感があるとかないとかのレベルというより、社労士の資格を持つべきではないでしょうし、その助言を実行してしまう企業にもコンプライアンスが欠如していると言えます。
働いてもらう人を騙して不利な条件で雇用し、平気なツラして事業を運営する会社とはどんな業態なんでしょうか。
なるべく多くの人が応募するよう、嘘の求人票をハローワークに出して、それで弱い立場を見越して不利な条件で合意させ、働かせるという点で、勝手な想像をすると、たぶん現場と経営(管理)があまり顔を合わせないような職場なんでしょうね。
同じ部屋で1日顔を突き合わせる環境ではないんでしょうね。
ちなみに上記の記事にあったのは「社会福祉施設を運営する会社」だったそうです。
さて、失業中で春先から就職活動している知人が、ハロワの求人会社はけっこうヤバい会社が混じっていると嘆いていました。
求人詐欺と言っていいのか、面接時に質問した条件と、求人票の情報がちょっと違うというレベルはよくあるようで、目に余るものはハロワに行ったとき苦情を言って通告しているとのことでした。
そのほか、ハロワに苦情としては言えないけれど、面接前にその企業をネットで調べると、社員がパートを含めて10人未満の会社だけど、会社の所在地(同じ雑居ビルの同じ部屋)にその会社の代表が経営している別の会社が複数あって、その1つが過去に未払い賃金で訴えられていた経歴があったとか。
ほかにも、幼児教室のフランチャイズ事業会社の求人に応募を検討していたが、やはりこれも代表が過去にフランチャイズ事業の役員をやっていて倒産した過去があり、応募をとりやめたとか。
確かに、代表に残念な過去があっても、いまの会社はマトモかも知れないので、あくまで主観というか感覚的なことではあります。
しかし、求職者からすれば用心したいのも確か。
応募する人がすべてネットの検索リテラシーが高いわけではないので、そんな会社にも求人票やホームページの情報だけで応募してしまう人も多いのでしょうね。
まあ、マンションの一室の会社なのに、同じ部屋の住所に代表がいくつもの会社を持っていること自体は珍しくもないかも知れませが、何をやっているのか意味不明な会社は数多くあります。
そういった経験談は別に求人票とは関係ない話ですが、そんな会社も普通の会社に混じってハローワークに求人を出しているというのが実態のようです。
ハローワークは厚生労働省が運営している公的な機関だから、怪しいとかブラックなところはないだろうと思っている人が、もしいたとしたら、その期待は甘過ぎると言えます。
ハローワークにはその会社が会社都合でリストラしたとか、面接に行った方からの苦情があったという記録はあるものの、求人票を出す会社はマトモだと保証しているわけではありません。
結局は自己責任ということになりますが、ホワイトもグレーもブラックも、ハローワークには揃っていると思っていて間違いないようです。