制作会社という仕事柄、長年企業のWeb担当者と接することが多く「異動で来ました、Webに関しては素人でして」とご挨拶いただく方にも数多く接してきました。
メールを整理していると、ちょうど1年前にもそんなご挨拶をいただいた女性の方がいました。
「どんなことから覚えていったらいいんでしょうか」
という話になり、私ではなく、その方の上司が、
「”Web担当者になったらまず覚えること”などで検索すると結構ヒットするんじゃない?」
などと話されていましたが、後で実際に自分で検索してみると、確かに数多くヒットしますし、アドバイスもそれなりに参考になるように思います。
ただ単にWeb担当者といっても、サイトの規模、目的(企業サイトや会員サイト、ECとか)など、運営しているサイトによって求められる知識やスキルは様々です。
また、Webのご担当者も責任者・準責任者として着任する場合と、いちスタッフとして異動を命じられた場合とでは、求められている知識も異なってくることでしょう。
そのような、サイトの規模も機能も多様であり、かつWeb担当者の立場によっても役割が違うことを考えると「Web担当者」に共通したアドバイスは難しい気もします。
なので軽々しくこれを勉強するといいとか、この知識は必須といったアドバイスはできなかったのですが、1年前にその方に僭越ながらメールで送ったのは以下のような内容でした。
(だいぶ書き直しましたがw)
たぶん、もう言われなくてもやっているとか、そう思ってたという類かと思います。
そうであればその考えが間違っていないという意味で「念押し」だとご理解ください。
(1)自社のWebサイトを改めてより深く知ってください。
なんだ、当たり前のことですね。と思われると思います。
しかし、意外に自社のサイトのことをよく見ていないというか、役割、内容、機能、ターゲットなどをきちんと理解していない場合が多いはずです。
自社のサイトがどのような役割で、どのようなコンテンツを掲載し、主なターゲットは誰なのか。自社のサイトの月間のアクセス数はどれくらいなのか、どのようなシステムが使われているのか、どんな課題があるのか、自社サイトのライバル(競合)はどこなのか・・
などなど、いちいち項目を挙げても仕方ないですが、自社サイトのことを「改めて」よく知ることが大切です。
(2)検索力を養ってください。(とにかく検索!検索!)
それも普段からしていることでしょう。当たり前のことですね。と思われると思います。
しかし、Web担当者になると、いままでなじみのない言葉に怒涛のように遭遇するでしょう。
コンバージョンがどうの、LPがどうの、レスポンシブがどうの、セッション、Cookie、CMSやらMTやら、動的とか静的とか、要件定義とか、先輩や出入りのSEOや広告会社、制作会社、システム会社の方が話している用語がよくわからないというのも不思議ではありません。
しかしそれらを全部正確に説明できる人は稀で、それぞれの専門の人がWeb担当者のところに集まっているだけ。
まずは(もちろんわかるように説明を求めるのもありですが)検索して調べる、そして「おおざっぱに知る」という習慣をつけるということかと思います。
専門用語を調べて正確に覚えなくても、わからない言葉を聞き流すのではなく、「おおざっぱ」に知ることだと思います。
そして情報を得るために検索エンジンの利用の達人になることが肝要です。
(2017/06/02追記)
今日のはてなホットエントリーに下記の記事が挙がっていました。
「知識を手に入れるための知識」がない人にとって、Google検索はあまりにも難しい。 | Books&Apps
要は、ただ検索をたくさん利用しましょうではなく「検索エンジンの利用の達人」になるという私の言葉足らずな表現を、きちんと説明してくれているように思います。
この方の記事を読むと、さらに次に書いた「ネットのリテラシー」にも言及されていました。
(追記ここまで)
(3)Webに興味を持ってネットリテラシーを高めてください。
ネットの話題に数多く触れてください。なにが話題になっているのか、はてなのホットエントリーでも、Web担フォーラムでもかまいません。
要はネットのリテラシーを高めるのが目的です。
GoogleがHTTPS(常時SSL)のサイトを優遇しているとか、モバイルファーストと言っているとか、facebookユーザーが減少してるといった大きな潮流もあれば、どこどこが顧客対応がまずくて炎上しているといった日々の出来事もあり、くだらない釣り(話題を集めるだけ)のゴミのような記事もあったりします。
(2)や(3)については、見つけた情報をTumblr(タンブラー)や、ソーシャルブックマークのはてなブックマークなどを使って自分のチェックした情報を集めておくことが合っているならそれも良いかも知れません。
そんな(かなり文章を整理しましたが)アドバイスでした。
今年も4月の異動で新しいWeb担当者が増えるかも知れません。
新人のWeb担当者の方が、もし偶然にでもの記事を目にして、少しでも気に留めていただけたなら幸いです。