パチンコに関して複数のブログ記事を読みました。
国辱 – 書評 – なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか– 404 Blog Not Found
そろそろネット住民の反パチンコ論についてひとこと言っておくか – よそ行きの妄想
前者は書評ではありますが、ご本人の姿勢は下記から読みとれます。
(記事より抜粋引用)
私自身は、パチンコの滅亡までは望んでいない。パチンコ特区の一つや二つあってもいいと思う。パチンコを排した韓国だって、外国人向けのカジノを運営しているではないか。そこに行って身ぐるみ剥がれても、それは自己責任というものだ。
しかし、街角という街角にパチンコ屋があり、さびれゆく地方でそこだけが栄えているという今日が明日も続くことは、望まない。
と述べ、最後の方で「まずは、現状を知るべきである。」としています。
そういう意味では完全禁止論者というわけではなく、規制派的。
後者はというと、パチンコの功罪の”功”の部分を述べ、
(記事より抜粋引用)根本的な動機を理解しようという気はまったくない。パチンコを取り上げて、彼らはどうなる?幸せになるのだろうか?酒もタバコもやり過ぎは体に良くないが、節度を持って楽しめば人生に彩りを与えてくれるものだと思ってる。そういうものも含めて何でもかんでも浄化して、無菌室みたいにすることが本当にいいことだと思うだろうか?
と述べ、その後「なにごとも真ん中くらいが一番いいわけである。」と結論づけています。
真ん中って何?
タバコでいえばあちこち禁煙にしたけど、完全喫煙にはせず、特定の場所に禁煙コーナー作ったよ、って感じでしょうか?
じゃあやっぱり、「ちょっと規制してもいいけどし過ぎんなよ派」って感じでしょうか。
これらの引用させてもらった2つの記事は、実はどちらも完全否定、完全肯定はしておらず、でした。
ただ、後者の記事の文中にあった
そしてパチンコの玉は1球につき大体が4円、還元率は概ね90%前後*2であることが一般的だそうだから、理論上1時間当たりの単価は2400円ということになる。決して安くはないが、特別高いとも思わない。
これは、パチンコ台が1分に100発=400円、60分で24,000円。
還元率が90%なんで60分(1時間)遊ぶ費用は24,000円×10%=2,400円という計算なんでしょう。
この数字、どうなんでしょう。
パチンコが1時間約2,400円程度のお遊びだから、高額な遊びじゃないといった風な書き方ですが、実際はパチンコ依存症は多い。
なぜって?
もちろんパチンコは「ギャンブル」だから。
それも駅や商店街や道路沿いといった日常生活圏にあり、毎日長時間営業してて、すぐに出来て、つい長時間してしまう、とてもとてもお気軽なギャンブル。
そして一定の監視・管理のもとで切り離された公営ギャンブルと違い、生活圏に溶け込んだ民間のギャンブルだから、地元の警察との関係や、警察OBの天下りとか、三店方式といった怪しい利権がからんできます。
パチンコ業界に許された換金方法「三店方式」
パチンコの換金といえば元々出玉の換金は違法ですが、パチンコ業界に許された換金方法として「三店方式」と呼ばれる方式があり、これによって事実上、客は換金ができる(黙認される?)ルールが存在します。
- パチンコ店が客に景品を渡す
- 客は景品買取所で景品を買い取ってもらう
- 景品買取所は景品卸会社に売る
- 景品卸会社はパチンコ店に景品を卸す
要はパチンコ店、景品買取所、景品卸会社の3つの会社をグルグル景品が回転している方式のことです。
この流れをショートカットして、パチンコ店が客に渡した景品を買い取ることはもちろん、景品買取所から景品を直接買うのもご法度なわけで、2010.12.02のニュースに
景品直接買い取り容疑で書類送検 パチンコ業者ら(共同通信)
(以下抜粋引用)
警視庁保安課は2日までに、パチンコ店が客から景品を直接買い取ったとして、風営法違反(遊技場営業者禁止行為)の疑いで、名古屋市名東区のパチンコ店経営会社「キング観光」と、社長(50)ら5人を書類送検した。保安課によると、風営法は、店側が客から景品を買い取って換金することを禁じており、多くの店では、経営が異なる交換所が景品を買い取った上で、回収した問屋が再び店側に卸すようにしている。
しかし、同社が経営する東京都日野市のパチンコ店は、景品の大半を問屋を通さずに交換所から買い戻しており、同課は「店と交換所が一体化して客から直接買い取った」と判断した。
というのがありました。
「さんざん俺たち(警察)の世話になっておきながら、(俺たち警察官の再就職先を脅かすとは)テメエらいい根性してんじゃねえかっ!」みたいな声が聞こえてきそうな摘発のニュースでした。
まあそれはいいとして、パチンコが出玉を換金するのはギャンブルで、「パチンコ店」「景品買取所」「景品卸会社」が揃っていれば、パチンコに限り合法ってのがまったくおかしな法律です。
そういった利権の温床のようなカラクリは、誰のためにあるのでようか。
法律はパチンコ屋さんにはギャンブルでありながらギャンブルではないとする免罪符を与える代償に「景品買取所」と「景品卸会社」という存在を生み出しています。
パチンコ屋からすれば、「景品買取所」も「景品卸会社」もその法律がなければ、店内のカウンターで現金と交換すれば済むのですから不要のはずです。また、特殊景品を使うとしても「景品買取所」があればよく、「景品卸会社」は不要です。
では「景品買取所」や「景品卸会社」は誰のためにあるのか。
そこに、「警察のため」と思ってしまうのは私だけではないような気がします。
蛇足ですが、パチンコ店と警察の関係に関連しての話ですが、パチンコ店は台を入れ替える時は必ず警察官の立ち会いが必要とのことです。