Googleが自ら嫌っていたPay Per Postを勇み足で利用し、ページランク5に格下げられた事件。

10日ほど前のGoogleのご乱心は事故としても、今回は事前に準備・企画されたキャンペーン(即中止になったが)の話し。
メモとしてまとめておきます。

まず、Pay Per Post。
goo辞書によると

ブログの運営者に対して,特定の語や話題を含む記事を執筆してもらい,報酬を支払う広告手法。口コミの誘発や,検索エンジンにおける表示順位の向上などを目的とする。

ずいぶん前(2007.10.04)に「FC2クチコミ広告」FC2クチコミ広告に登録されている商品やサービスについての記事をブログに掲載すると、報酬がもらえるシステム、ってのが発表になって、私も
「クチコミ広告」でブログに「ちょうちん記事」が溢れる?
と書いたことがあるけど、あれもPay Per Postの部類ですね。

ところが偶然にも?その直後、GoogleがPayPerPostユーザーたち(ブロガー)のページランクをゼロに下げる処置をしたわけです。

PayPerPost参加ブログ、Googleから締め出される(2007.11.19)TechCrunch
ブロガーにとって、PayPerPostに参加することの倫理的懸念はともかくとして、実際問題として今や毒杯を仰ぐのも同然となった。GoogleはPayPerPostに参加したブログを完全にページランクから抹殺し始めたのだ。

続いてもう1つ。

ページランクがゼロになり途方に暮れるPayPerPostユーザーたち(2007.11.30)TechCrunch
グーグルがPayPerPost(PPP)のブロガーたちのページランクをゼロに下げてもうじき2週間。ページランク「ゼロ」というのは事実上ネットから抹消されるようなもの、考えうる中で最も壊滅的な制裁措置である。

まあ私も「ちょうちん記事」が溢れる?って揶揄した記事を書いてましたから、実際このテのブログに広告記事を書かせる手法はキライだったし、米国のGoogleが何をしようと関心はなかったわけです。

ところがところが、あんな仕打ち(ページランクをゼロ)をしたGoogleが、「Google急上昇キーワードブログパーツ」を広めるキャンペーンをする際、自らPayPerPostを事業としているCyberBuzz(サイバー・バズ)と手を組んでしまったというワケ。

そりゃオカシイでしょ!

ってことで元々PayPerPostとGoogleの処置を過去、記事にしていたTechCrunchが「手段を選ばぬGoogle」とバッサリ切り捨て。下記がそれ。

Yahooからの市場奪取に向けて手段を選ばぬGoogle、PayPerPostキャンペーンを採用(2009.02.10)TechCrunch
日本のブログ界では今、Googleが東京に拠点をおくインターネットマーケティング会社のCyberbuzzによるキーワード機能に関するPayPerPostキャンペーンを採用したことに注目が集まっている。実際、Googleのブログ検索を使って「Google急上昇ワードランキング+ブログパーツ+CyberBuzz」と日本語で検索するといくつものページがヒットし、数多くのブログが参加していることがわかる。

さて、顛末としては・・。
ブログパーツの配布は継続するとして、結局Cyberbuzzによるキャンペーンのほうは昨日(2.10)中止。

Googleのマーケティング活動についてGoogleブログより
2009 年 2 月 10 日
Posted by 馬場康次(シニアマーケティングマネージャー)
Google Japan では、製品を多くのユーザーに知ってもらうために、さまざまなプロモーション活動を実施しています。
今回、そのプロモーション活動の一部でブログを活用したことが、Google のサーチに関するガイドラインに違反することが判明し、このプロモーションに関しては中止しました。ご迷惑をかけた関係者各位とユーザーの皆さまにお詫びするとともに、再発防止に向けて、透明性の高いコミュニケーションに努めてまいります。

自ら作ったガイドラインにハマってしまったというか・・。こういうのは他の企業で言うと、ガイドラインに疎い部署の暴走ってのが多いのですが、まさかGoogleはねえ。といってもGoogleって会社概要に組織図がないのでいったいどういった構造をしているかも知らないんですが、まあマーケティング部門の責任者がお詫びしてるところを見ると、ポリシーやガイドラインに疎い部署じゃないんでしょうね。
企画段階で気付かなかったところが不思議です。

さて、グーグルが独自のウェブページの重要性を決定する尺度として、2009年時点ではPageRankアルゴリズムを採用している、というのは周知の通りです。
そのページランクを操るGoogleが、Google Japanのページランクを「5」に格下げするとは!
先日までは「9」でしたから、すごい措置です。

CNET Japanの記事
GoogleがGoogleにPageRank変更のペナルティ?

なるほど、PayPerPost事件のペナルティですね。
とりあえず記念にキャプチャしときましたww。
googlepagerank

(2013.02.05追記)
2013.02.05現在、Google Japanのページランクは“8”に戻っています。
いつ回復したのかは、ちょっと調べてもわかりませんでした。
ただ、戻った、回復したといっても、もともと“9”でしたから、1つ足りないですね。
それと、最近はSEO的に検索家㏍名の順位にはページランクはあまり関係ないような記事を多く見ますが、Google本社がGoogle Japanに科したペナルティにページランクを使ったという事実は事実。やはりいくつかある順位決定要因の1つなのか、要因の1つのモノサシではないでしょうか。

(2017.03.27追記)
昨年2016年にGoogle はページランクを廃止しています。サイトの品質評価として、なにかページランクに代わるモノサシがあるのかわかりませんが、却ってブラックボックスになった気もしないではありません。

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