「縁故募集」は海上自衛隊でも有効かつ効果的な募集手段だった。

防衛省情報検索サービスサイトにあった1988年(昭和63年)の自衛隊縁故募集の書類(PDF)ですが、こんなのもあるんですね。

海上幕僚長から各部隊の長・各機関の長あて 縁故募集について(通達)
(若干抜粋)
 標記について、かねてから各部隊、各機関の長の指導により、着実にその成果を挙げつつあるが、昨今の募集環境は、募集対象人口の漸減傾向、若年労働力に対する雇用需要の堅調な持続、国民生活水準及び進学率の向上等から次第に厳しくなっている。
 このため、防衛庁を挙げて募集支援の施策を強化し、地方連絡部においても昼夜を分かたぬ血の出るような努力を重ね、種々の障害に打ち勝つて、隊員の募集に努めているが、なお所望の質量の隊員を確保することが困難な情勢にある。
 したがつて、海上自衛隊としても、隊員の募集を「わがこと」として、地方連絡部の行う募集業務を一層強力に支援する必要があると考える。
 縁故募集は、そのための最も直接的かつ有効な手段であり、良質隊員を確保するのに極めて効果的であるので、全隊員を挙げて縁故募集を強力に推進するよう指導されたい。

そうですか。
この当時から自衛隊への応募が減少している原因としては
・募集対象人口の漸減傾向
・若年労働力に対する雇用需要の堅調な持続
・国民生活水準及び進学率の向上等
なのですね。

そんな募集環境のなか、海上自衛隊としても「縁故」は最も直接的かつ有効な手段であり、良質な隊員を確保するのには極めて効果的だったようですが、親、叔父、兄、従弟が自衛隊員で、「こっちはいいぞー」と誘われて行くものでしょうか。
「おまえブラブラしててもしょうがないだろ、自衛隊に入れ」はあるかも。

いや、それは私の偏見かも知れませんが、私の知る限りでは高校卒業後、就職したけどちょっと問題があって辞めてブラブラしていたヤツが「自衛隊に入って大型特殊(免許)取ると言ってました。

それはさておき、自衛隊員になるメリットはなにでしょう?
(国を守るという使命感が味わえる、とかは無しで)
たとえば、安定している(倒産しない)とか、重機とかなにか取扱いの免許や資格が公費でとれるとか、給与がいいとか、年金制度が優遇されているとかあるのなら、そういったことも必要ですよね。
あと、イメージもしくは閉鎖的な体質の改善も必要ではないでしょうか。
女性もいるとはいえ、やはり男社会でシゴキがあるんじゃないかとか、パワハラとか。
もし「そんなのないよ」というのならアピールする必要があるかと思います。

現在自衛隊員の皆さまには、日本のため、災害地のため、がんばってほしいものです。

(COMMENT)
AUTHOR: itochan
URL: http://blog.ptlabo.net/
DATE: 10/13/2008 15:00:39
TITLE: 自衛隊
縁故募集で自衛隊という発想はありませんでした。
親子代々職業軍人です って感じでしょうか。

空軍は花形だから多少は人が集まるとは思うんです。
陸海軍はねぇ…
そういうイメージがあります。

(COMMENT)
DATE: 10/13/2008 15:07:11
昨日も「海上自衛隊で1人で15人を相手にする格闘訓練の最中に意識不明になり死亡した」という痛ましい隊員のニュースがありましたが、なんだか角界のような(周囲からは見えない)閉鎖的な世界ってイメージもマイナスなように思えます。

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