元の記事はどうでもいいんですが、引用したので一応ここ。
退職時に会社のデータを持ち出す人は59%(「@IT」2009/03/05)
あのリーマン・ブラザーズの破綻のニュースで流れた映像で、段ボールで持ち出しをしている社員の映像が思い出されました。
最近は個人情報保護法や、就労規定に罰則付きで守秘義務の項目が整備されて、コンプライアンス的にはひと昔前とは違ってきました。
しかし、離職者が長年集めた人脈の名刺を持ち出していくと同じ感覚で、今ならメールアドレスのリストやファイルとかはメモリーやネットを通じて持ち出されるケースが充分推察できます。
現に、クライアントで離職した人からは、「こちらに転職しました」とかのメールをよく頂くし、珍しい話じゃありません。
また、中途採用者への面接でも、私のいる制作業界じゃ、ポートフォリオ(作品ファイル)の資料提出は「前職の守秘義務に違反しない程度で結構ですから」と採用側の立場で言うものの、求職者が持ってくる資料には、グレーゾーンな情報も多分に含まれているように思います。
前出の記事では、
「1000名の米国人を対象に、シマンテックなどが共同で行った最新の調査結果によると、『退職する際に会社の情報を持ち出しましたか?』という質問に対して、59%の社員がYESと答えている。持ち出した内容は、メールアドレスのリストが1番多く65%、非経理情報が45%、顧客情報が39%、社員情報が35%と続く。このように最近の営業職やIT関連職員は“自分が培ってきた情報こそが自分の価値”という認識を持っているものが多い。従って、退職時に社内で貯めてきた情報を持ち出すことを正当化する傾向がある。しかもそれが悪いことだと認識しているケースがほとんどだ。
顧客の個人情報の持ち出しは当然明白な犯罪ですが・・。
取引先担当者のメアドであったり、自らが手がけた作品や企画書だったりの類は、コンプライアンスの規定違反と知りつつも、個人的な心情は理解できるし、なかなか防げない気がします。
なぜ?
だって実態に合ってないから。
規定は個人の心情が全く無視されているし、それに企業側にも問題があります。
すべての企業(業界)とは言いませんがww
一部の企業としておくけど、会社としては離職者に情報を持ち出される時は(覚せい剤のポスターのように)「ダメ!絶対!」でも、転職を受ける側に立つと、その人のスキルやノウハウや経験値だけでなく、人脈や特定プロジェクトの知識までもあわせて評価してしまうような側面もあるわけです。
要するに2つの顔を使い分けている企業があるとすれば、まず企業側がエリを正さないとダメでしょうね。
実際の面接で、クリエイターはアピールしたいし、あまり守秘義務について認識が高くない傾向があります。
例えば用意したポートフォリオを提示する際に「前職の守秘義務に注意して作成してきました」とか言って「なにに注意したの?」と聞かれても「管理画面関係とかイントラネットなどは除いています」とか発言されると雇用側としては却ってよい印象を持つはずです。
クリエイターはあまり守秘義務について認識が高くない傾向があると書きましたが、最近ではあまりに内部情報を面接時に発言されると「このクリエイター大丈夫か?」となるかも知れません。
コンプライアンスはどの企業も神経質になっています。
内部事情までしゃべりたがる転職者も、前職の内部事情まで知りたがる会社側も気をつけたいところです。