「東電が作業員に払った日当10万円」という記事。曖昧すぎて、いい感じにボカされている。よくわからない。

福島第1原発の作業員の日当の話は、確か4月頃から「超高額」だけど、孫請け・ひ孫請けとドンドン搾取されて、作業員本人には1万円程度になるみたいな話が話題になってたかと思います。

下請け原発作業員に“中間搾取” 日当、10万円が8千円に(共同通信/2011.08.04)
 福島第1原発で働く作業員の労働条件について話し合う日弁連シンポジウムが4日、東京都内であり、調査した弁護士が「東電が作業員に払った日当10万円が何層もの下請け会社の介在で手数料が引かれ、作業員が受け取るときには8千円になった例があった」と報告した。(以下省略)

どうしてそんなに中間に立つ業者が多いんでしょうね。

汚染された原発だから日当10万円ぐらいの額でないと人が集まらない・・・という理屈は、安い日当でも実際に働かれている方がいるのでヘンな話。

しかし、汚染された原発だから、人材を募集するのも大変だし雇用した人の健康管理等の業務も大変。だから人材を派遣する業者の費用がかさむので1人あたり10万円を業者に払ってます・・・と東電が言うのなら、それは日当ではなく、下請け業者に払う1人あたりの業務委託費というか、工数単価のはず。

・・・とまあこんなことを書くと、不当な中間搾取を肯定してるみたいに誤解されそうですが。
そうじゃなくて記事には、

「東電が作業員に払った日当10万円が何層もの下請け会社の介在で手数料が引かれ、作業員が受け取るときには8千円になった例があった」

・・とあります。
だけど、東電が作業員に直接日当を払い、その作業員が高額な手数料を中間業者に払うわけじゃないですよね?
それなら搾取構造というより、東電と業者の契約(工数単価が10万円)、もしくは「利権」ですよね。中間に立つ業者が多いほど、甘い蜜なんじゃないでしょうか。
(詳しい人へ。間違っていたらコメント欄でご指摘ください)

ついでに、ハローワークの求人を福島県双葉郡で検索してみましたが、当然東電はありません。下請け業者の求人募集がでてきました。

たぶん実際に求人しているこれらの業者が、下請けで一番下の業者になるんでしょう。

(2011.08.08追記)
同じ話題でも、人によって様々な視点があるって面白いです。
単に賛成、反対とかもあるけど、下記の記事は関心をもったポイントというか、視点のことです。

東電からの人件費の中間搾取(てくてく糸巻き)

東電的には、10万円に値する仕事内容を、業者が受注して、搾取で抜いただけの”何”を労働者に提供できているのか?という問いかけですが、その構造はぜひ可視化してほしいところで、なにもやってない(ピンハネだけ)ならば、仕事が仕事だけに非常に危険な話。

東電も「うちはリスクぶんをちゃんと払ったんだからあとは業者に聞いてくれ」では、基準値を超える(?)無責任体質かと思います。

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