Yahooが広告主に対して広告の掲載基準を見直すとの発表をしました。
広告掲載基準「広告の有用性について」判断基準変更のお知らせ
(以下抜粋)
<対象基準>
第2章 3.広告の有用性
(2)アービトラージサイト等、第三者のサイトへのリンクや広告が多数掲載されているものや、広告のクリック等をさせることを主目的としているようなもの<変更点>
ビジネスモデルが成果報酬型サイト(アフィリエイトサイトを含む) およびそれと同等であると弊社が判断したサイトについては、「広告のクリック等をさせることを主目的としているもの」に該当するサイトとし、当該サイトに関する広告は、弊社が提供するすべてのサービスおよび提携パートナー上での広告掲載を不可とします。
え?まだ有効だったんだ・・・と実は思っていて、Googleでは10年以上前からアービトラージサイトを取り締まっていたし、YahooもGoogleに比べて甘すぎとはいえ何度か規制していたはずです。
個人的にYahooの検索をほとんど使わないので気にしていなかったのですが、やっと本格的に”不可”としたわけですね。
ただ、ここで言及している成果報酬型サイト(アフィリエイトサイトを含む)というのは、わざわざリスティング広告を打って集客している成果報酬型サイトのことで、集客するための広告費と、その訪問者がクリックしてくれる広告収入の差額で稼いでいるサイト、つまりアービトラージ(価格差で稼ぐ)サイトということになります。
アービトラージサイトと言っても、そこに有用なコンテンツが豊富に掲載されていれば問題はないのでしょうが、行ってみたらコンテンツはスカスカで、広告リンクだらけといったものが問題だったわけです。
この「アービトラージサイト」については当ブログで検索しても、10年以上前の記事がヒットします。
アービトラージを批判する古い投稿は2000年代にはよく書いていましたが、もう撲滅したかと思い何年か前に記事を整理・削除したのですが、当時、それほどはびこっていました。
GoogleではMfA(Made for Adsense:Adwords広告の掲載のみを目的に制作されたサイト)と呼ばれており、Googleは10年以上前から厳しく禁止して取り締まっていましたが、Yahooは協業とか提携とかのレベルというより共犯と言えるほど特定企業に対してそれを許していました。
なぜならYahooは「月間1000万ページビューを超える良質なトラフィックをお持ちのサイト所有者様」に対してアービトラージサイトの制作を優遇していたからです。
Yahooが優遇していたアービトラージサイトの仕掛けとしては、Yahooリスティングに広告を出稿して自らのサイトにアクセスユーザーを引き入れ、自らのサイトに貼ったYahoo広告をクリックさせようとするもので、サイト主は支払った広告費より高額なアフィリエイトをクリックさせてその差額を利益とし、Yahooは広告主(サイト主)の出稿で儲け、ユーザーの広告クリックで儲け、ダブルでメリットがある状態でした。
もちろん中身(有用なコンテンツ)はありません。
例えば過去に私が見たサイトは、Yahooのリスティング広告に「音楽イベント補助日給1万円」とかの見出しがあったとして、通常であれば広告をクリックすると、そのランディングページに遷移すると期待していたら実は違っていて、バイト情報のポータルサイト(のようなページ)が表示された、というようなものです。
しかもバイト情報検索サイトであればまだしも、実はそのページにあるリンクはすべてYahooのリスティング広告のテキストリンクだったりします。
「あれれ?音楽イベント補助日給1万円の情報はどこ?」
となって、やたら探しまくって広告リンクをクリックしまうわけです。
このようなアービトラージサイトについて、10年以上前から厳しかったGoogleに比べ、Yahooは常に後手に回っていました。
私の知る限りではYahooは2010年に広告規定で規制したはずです。
次に2015年にも広告出稿規定でも規制しています。
そして2018年に再度ゆるやかに規制。
そして今回、2019年4月になってまたまた規制。
Googleは10年以上前から規制していたのに、Yahooよ、あまりにも遅すぎないか?
あまりにもYahooは「渋々」じゃないのか?
それほどアービトラージサイトはYahooにとってもメリットがあったということなんでしょう。
今回の措置は、Googleアルゴリズムによってアクセスを落とした有用性の低いアービトラージサイトが、広告規制のゆるやかなYahooに集まり過ぎて、Yahooリスティング広告の有用度を下げてしまったことに対するYahooの対応だと思います。
しかし、そんなところからも(Googleに比べて)Yahooの民度の低さが見て取れるように思えました。